平成17 年度 環境技術指導者養成講座(前期)

              川のエコシステム診断
                      森下郁子((社)淡水生物研究所所長)

 生態系エコシステムが存続するためには、個々の生物の生活史がとぎれずに継続していくことがベースになる。川のエコシステムは日本ではとくに魚類や底生動物が担っている。すなわち魚類や底生動物が継続的に現存しているかどうかがエコシステムが存続されているかどうかにつながっていく。

 川の生物が生息するためには産卵できるかどうかが重要である。産卵には水質が重要であることはもちろんであるが、河床材料の粒径や水面に光がどれくらいの時間あたるかなど、これまであまり問題にされてこなかった川の機能が重要であることがわれわれの長年の研究結果からわかってきた。日本の川の生物と環境との関係についてわかってきたことを個々の生物ごとにまとめて川を診断する評価法を開発した(1998−2004)。

 その生物環境を評価手法として開発したHIM やEIM は現況の生物相からその生物が生息している全体の生物環境を評価するものでその使い方や解決の仕方を講義で演習する。

 テキスト森下郁子他:川のH の条件、山海堂(2000 年)、は当日配布する。


                   魚がすむH の条件

             HIM1 川が上下につらなっているか
             HIM2 河床に大小の石があるか
             HIM3 水深に大小があるか
             HIM4 流速に大小があるか
             HIM5 細流や水路とつながっているか
             HIM6 冠水率の高い水辺(湿地)があるか
             HIM7 水生植物があるか
             HIM8 水辺林が連続しているか
             HIM9 水面への光の当たり方
             HIM10 人との関わり

                               (Morishita 2004)