森林資源量の把握方法を知り活用を考える
                ―地域自立型エネルギーと持続可能な社会へ
            

                    
 栗本修滋(栗本技術士事務所)本庄孝子(阪南大学)

 生物(植物・動物)に由来するエネルギー源を一般にバイオマスと呼ぶ。
バイオマスは太陽光発電や風力発電と同様に再生可能エネルギーである。
バイオマスを燃焼して排出するCO2は
もともと大気中にあったものを樹木が生長する過程で吸収・固定したものであり、
いわゆるカーボンニュートラルな特性を持つ。
森林資源量はバイオマス資源量のかなりの部分を占めることから、
バイオマスの活用はいかにして森林資源を活用できるかにかかっている。

森林が1年間に生長する量(250億トン:10トン/へクタール)及び廃棄物系が
木質バイオマスの潜在資源量となる。
森林資源の活用はカスケード利用が好ましい。
はじめは材として使用し、材として利用できない部分や廃棄物を燃料として利用することである。
我が国は国土の2/3を森林が占める森林大国である。
我が国の森林の形態を知った上で、資源量の把握方法を学び活用の方法を共に考える。

持続可能な森林経営と木質バイオマスについての可能性を取り上げる。
実は日本の森林は世界に冠たる種の多さを誇り、広葉樹と針葉樹の計は176種ある。
欧州の37種、北アメリカの123種から比べて、小さな面積にもかかわらず多い。
森林資源の活用はこれらの生態系の考慮が必要と考える。
一方、放置された杉林はもやし林となって山は荒廃しているのが現実であり、
この部分の活用が早急に望まれる。
森林資源の収集は林道の整備(ヘクタール当たりの長さ)による部分が大きい。
日本の林道の長さは欧州の1/4以下である。
従来法では林道整備に高価な金額が必要だったが、本来はもっと安価で整備できることがわかった。
スイングヤーダーなど機械化の整備も必要である。

我が国の森林生長量の活用は欧米の1/100以下である。

自国産の資源を有効に利用し、石油依存から少しでも脱却して、
地域のバイオマスエネルギー活用へ道を開きたいものである。
我が国はオイルショック後の1976年にサンシャイン計画が始まり、
石油代替え燃料として木質燃料も太陽光発電や風力発電とともに研究が始まった。
木質油化の研究や木質ペレット、人工薪のオガライトの製造が盛んであった。
バイオマスの研究はその後石油が安価になった時に、石油代替えエネルギーから抜けた。

そして2002年1月にやっと新エネルギーに各付けされ、
新たにバイオマスエネルギーの活用が注目をあびた。
環境とエネルギーの両方を解決するバイオマスは政府・国の大きな柱となって、取り組まれることになり、
内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の
7つの府省が連携することになった。
各省では種々の制度が取り組まれ、
例えば、バイオタウン構想は平成22年までに全国で300市町村実現へ、
地域バイオマス発見活用促進進事業は3年間(2007-2009年)で900地区が採択される事になった。
現在、欧米では、食料と競合するトウモロコシやサトウキビ、菜種油、大豆などから
バイオ燃料を製造することが活発である。
食料の分を燃料に回しているため(燃料の方が儲かる仕組み)、これらの価格の上昇を招いている。
我が国は建築廃材やワラなどからバイオエタノール製造、
廃天ぷら油からバイオディーゼルオイル製造を試みている。
前者の技術が確立できれば、食料と競合することなくバイオ燃料の製造が実現できる
政府のバイオマス施策に欧米並みの視点を望む。

参考文献: 林業新知識、木質エネルギー、バイオマス情報ヘッドクオーター:http://www.biomass-hq.jp/